「副業を始めたら確定申告が必要になるのか」と不安に思っている人は多い。
正直に言う。最初は自分も面倒だと思っていた。でも実際にやってみると、会社員の副業確定申告はそこまで複雑ではなかった。
自分は会社員をしながら、保険募集人として副業をしていた時期がある。そのとき、会社からの給与と副業の収入を合わせて確定申告を行っていた。最初は紙に書いて郵送する方法で、途中からe-Taxに切り替えた。
今はブログ・アフィリエイトを副業にしている。確定申告の基本的な流れは変わらない。
この記事では、会社員が副業の確定申告をどう進めればいいかを、自分の経験をもとに書く。難しく考える必要はない。
年末調整と確定申告、何が違うのか
会社員が副業の確定申告で最初に混乱するのは、「年末調整があるのに、なぜ確定申告もしないといけないのか」という点だ。
シンプルに言うと、年末調整は「会社の給料だけ」を対象にした手続きで、副業の収入は含まれない。副業分は自分で申告する必要がある。
つまり会社員が副業をしている場合、年末調整(会社)と確定申告(自分)の両方が関わってくる。会社がやってくれるのは給与部分だけ。副業分は自分の仕事だ。
次に「自分はそもそも確定申告が必要なのか」を判断するフローを確認しよう。
📋 副業の確定申告が必要か判断するフロー
(収入-経費)
2〜3月に自分で申告
※住民税は別途確認
「所得税の申告は不要」でも、住民税については自治体への申告が必要なケースがある。詳しくは後述する。
まず知っておくべき「20万円ルール」
副業を始めたからといって、必ず確定申告が必要になるわけではない。
会社員の場合、副業の所得が年間20万円以下であれば、確定申告は不要だ。これを「20万円ルール」と呼ぶ。
ここで注意したいのは「収入」ではなく「所得」という点だ。
- 収入:副業で受け取った金額の合計
- 所得:収入から必要経費を引いた金額
ブログやアフィリエイトの場合、サーバー代・ドメイン代・書籍代・ツール代などが経費になる。収入が25万円でも、経費が10万円あれば所得は15万円になり、申告不要になる場合もある。
ただし「申告不要」とは所得税の話だ。住民税については別途自治体への申告が必要なケースがある。会社に副業を知られたくない場合は、住民税の納付方法を「普通徴収(自分で納付)」に設定することが重要だ。この点は後述する。
また、20万円ルールには例外がある。医療費控除・住宅ローン控除など他の理由で確定申告をする場合は、副業所得が20万円以下でも申告書に含める必要がある。詳しくは国税庁のHPを確認してほしい。
20万円を超えたら確定申告が必要になる
副業所得が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要になる。
自分が保険募集人をしていた時期は、副業収入がそれなりにあったので毎年確定申告をしていた。会社の年末調整とは別に、自分で申告書を作成して提出する。
申告の期間は毎年2月16日〜3月15日。この期間に前年(1月〜12月)の所得を申告する。
副業の種類によって所得の区分が変わる。
- ブログ・アフィリエイト → 雑所得(または事業所得)
- 保険募集人などの業務委託 → 雑所得(または事業所得)
- せどり(転売目的) → 雑所得(または事業所得)
- フリマ(自分の不用品) → 原則非課税(生活用動産の売却は課税対象外)
ほとんどの副業は最初「雑所得」として申告することになる。なお、所得区分の判断は状況によって異なる。詳しくは国税庁のHPを確認してほしい。
紙の申告からe-Taxへ:実際にやってみてわかったこと
最初に確定申告をしたのは、保険募集人として副業を始めた年だった。
当時は紙の申告書を使っていた。国税庁のウェブサイトから申告書を印刷して、手書きで記入して、郵送で税務署に送る方法だ。
正直、最初はわからないことだらけだった。どの欄に何を書くか、経費はどこまで認められるか。国税庁のサイトで確認しながら、一つひとつ埋めていった。時間はかかったが、やってみると「なんとかなるもの」だとわかった。
数年後、e-Tax(電子申告)に切り替えた。
e-Taxに変えてから、作業が明らかに楽になった。画面の案内に従って数字を入力していくと、計算は自動でやってくれる。入力ミスも減った。郵送の手間もなくなった。
今はスマートフォンからでもe-Taxで申告できる。マイナンバーカードがあれば、かなり手軽に手続きができる。紙で申告していた頃と比べると、時間的なコストが半分以下になった感覚がある。
e-Taxでの申告の大まかな流れはこうだ。
💻 e-Tax 申告の流れ(会社員+副業の場合)
スマホ・PCどちらでも可。マイナンバーカードがあればそのまま本人確認できる
会社から受け取った源泉徴収票の数字をそのまま入力する
年間の副業収入合計と、経費の合計を入力する。差額が「副業所得」になる
会社に副業を知られたくない場合は「自分で納付(普通徴収)」を選ぶ
計算は自動。内容を確認してマイナンバーカードで電子署名し、送信する
これから初めて確定申告をする人には、最初からe-Taxを使うことをすすめる。紙より確実に楽だ。
会社に副業を知られたくない場合の対処法
確定申告をすると、副業収入が会社にバレるのではないかと心配する人が多い。
結論から言うと、確定申告をすること自体が会社にバレるわけではない。ただし「住民税」の金額から、副業収入があることが会社の経理担当者に気づかれる可能性がある。
通常、会社員の住民税は会社が給与から天引きして納める(特別徴収)。副業収入があると住民税の金額が増え、それが経理の目に触れることで副業がバレるケースがある。
これを防ぐには、確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄で、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に設定する。こうすると副業分の住民税は自分で納付する形になり、会社の給与明細に副業分が混じらない。
ただしこれは完全な防止策ではない。自治体によっては普通徴収が適用されないケースもある。副業が気になる場合は、まず自分の会社の就業規則を確認することが先決だ。
副業の確定申告で準備しておくこと
確定申告をスムーズに進めるために、副業を始めた時点から記録しておくべきことがある。
① 収入の記録
いつ、いくら受け取ったかを記録しておく。アフィリエイトなら報酬明細、保険募集人なら手数料の明細が毎月届く。これを捨てずに保管しておく。年末にまとめようとすると、記憶が曖昧になって苦労する。受け取ったタイミングで記録するのが一番楽だ。
② 経費の領収書・記録
副業に使った費用は経費として計上できる。サーバー代、ドメイン代、副業関連の書籍代、ツールの月額費用など。領収書やクレジットカードの明細を保管しておく。電子決済の場合はメールの領収書を専用フォルダにまとめておくと後で楽だ。
③ 源泉徴収票
会社から年末に発行される源泉徴収票が必要だ。確定申告では会社の給与所得と副業所得を合算して計算するため、源泉徴収票の数字が起点になる。年末に受け取ったら大切に保管しておく。
よくある疑問
Q. ブログ収入がまだ数千円しかない。申告は必要か?
年間の副業所得が20万円以下なら不要だ。数千円なら申告の必要はない。ただし収入・経費の記録はつけておくこと。いつ20万円を超えるかわからないし、記録があると申告がスムーズになる。
Q. 確定申告をしないとどうなるか?
申告が必要な状況で申告しないと、税務署から指摘を受ける可能性がある。副業の報酬を支払う側(アフィリエイトASPや企業)が税務署に支払調書を提出するため、収入の把握は意外とされている。必要な場合はきちんと申告するのが安心だ。
Q. 青色申告と白色申告はどちらがいいか?
最初は白色申告でいい。なお、青色申告は事業所得・不動産所得・山林所得にのみ適用できる制度で、副業収入を「雑所得」で申告している間は青色申告は選べない。副業規模が大きくなり、事業所得として認められる段階になって初めて検討できる。詳しくは国税庁のHPを確認してほしい。
Q. 税理士に頼んだほうがいいか?
副業規模が小さいうちは不要だと思う。e-Taxの入力画面は案内が丁寧で、ある程度は自力でできる。副業収入が年間100万円を超えてきたり、複数の収入源が混在してきたりしたら、専門家に相談するのがいい。
まず副業を始めることのほうが大事
確定申告のことを考えすぎて、副業を始めるのをためらっている人がいる。気持ちはわかる。でも確定申告の手続き自体は、やってみれば思ったより難しくない。
むしろ先に考えるべきは、どの副業が自分に向いているかだ。向いていない副業を選ぶと続かない。続かなければ収入も生まれず、確定申告の必要すら出てこない。
自分に合う副業タイプを先に知ることが、遠回りせずに済む最初の一歩だと思っている。
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まとめ
- 副業所得が年間20万円以下なら確定申告は不要
- 20万円を超えたら2〜3月に確定申告が必要
- e-Taxを使えば紙より大幅に楽になる
- 会社にバレたくない場合は住民税を「普通徴収」に設定する
- 収入・経費の記録は副業を始めた時点からつけておく
確定申告を恐れて副業を始めないのは、もったいない。まず小さく始めて、20万円を超えるようになったときに改めて手続きを覚えればいい。その頃には副業が軌道に乗っているはずだ。

