アフィリエイトを始めたのは約10年前だ。長男と次男が相次いで生まれたころ、保険営業の仕事をしながら「サイトから紹介料が発生する仕組みがある」と知った。知識はゼロだった。SEOという言葉も知らなかった。それでも「やってみよう」と始めた。
あれから10年、いくつかのサイトを作り、月25万円まで稼いだこともあれば、Googleのアップデートで収入がゼロになったこともある。今も続けながら、55歳の独立に向けてストック収入を作ろうとしている。
この記事では、10年間の失敗を振り返りながら「始める前にこれを知っていれば」と思うことを正直に書く。これからアフィリエイトを始めようとしている50代の方に、特に読んでほしい。
保険営業をしながら、アフィリエイトを知った
当時、私は保険の営業マンだった。18年間、生命保険の営業をしていた。毎日外回りをして、お客様のところに訪問して、保険を売る。その仕事の中で、「サイトを作ってそこから保険の申し込みをしてもらうと、紹介料が入る」という話を耳にした。
正直、半信半疑だった。「サイトを作るだけでお金が入るのか?」という感覚だ。でも調べてみると、実際にそういう仕組みがあることがわかった。ASPに登録して、自分のサイトにリンクを貼る。そこから申し込みが発生すれば報酬が入る。シンプルな仕組みだ。
問題は、何もわからないことだった。WordPressのインストールから始まり、記事の書き方、SEOの基礎、どんなキーワードを狙えばいいのか。すべてが手探りだった。今のようにAIに聞けば教えてもらえる時代ではなく、ひたすらブログや書籍で調べながら進めた。
失敗①:保険サイト――読者層がズレていた
最初に作ったのは保険に関するサイトだ。自分が18年間売ってきたジャンルだから、知識は誰よりもある。「これは強みになる」と思っていた。
確かに記事は書けた。保険の仕組み、選び方、見直しのポイント。専門知識があるぶん、内容には自信があった。アクセスも少しずつ増えてきた。
ところが、CVが発生しなかった。アクセスはあるのに、保険相談への申し込みにつながらない。しばらくして気づいたのは、「読者層のズレ」だった。
保険の記事を読みに来る人の多くは、すでに保険に加入していて「自分の保険が適切かどうか」を確認したい層だ。新規で保険に入ろうとしている人よりも、「情報収集したいだけ」の人が多い。そして情報収集目的の読者は、アフィリリンクをクリックしない。
コンテンツと収益化の相性が悪かった。知識があっても、「読者が何をしたいか」と「アフィリ案件が何を求めているか」がかみ合っていなければ、収益にはつながらない。これが最初に学んだことだ。
失敗②:サプリメントサイト――YMYLで圏外に飛んだ
次に作ったのはサプリメント関連のサイトだ。当時、健康食品系のアフィリは単価も高く、案件も豊富だった。「これならいける」と思った。
ある程度記事を書いてアクセスが取れてきたころ、Googleのアルゴリズム更新が入った。一夜にしてほぼすべての記事が圏外に飛んだ。
後でわかったのが、「YMYL(Your Money or Your Life)」という概念だ。健康・医療・お金・法律など、人の人生に大きな影響を与える分野の情報は、Googleが特に厳しく評価する。専門家や公的機関ではない個人サイトは、このジャンルで上位を取り続けることが難しい。
「稼ぎやすそう」というだけでジャンルを選ぶと、こういうリスクがある。参入前に「このジャンルはYMYLに該当するか」を確認することが必要だと、このとき初めて知った。
失敗③:英会話サイト――リサーチ不足と競合過多
東京オリンピックを控えた時期、「英会話需要が高まるはずだ」と考えて英会話教室の比較サイトを作った。需要の読み自体は間違っていなかった。でも、競合の調査が甘すぎた。
「英会話 おすすめ」「英会話教室 比較」といったキーワードは、すでに大手のメディアや専業サイトが上位を独占していた。個人サイトが割り込む余地はほとんどなかった。記事を書いても書いても、検索結果の上位には表示されない。アクセスが取れないまま、東京オリンピックは終わり、英会話需要のピークも過ぎた。
当時の自分にはリサーチ能力が乏しかった。競合の強さを正確に把握する方法も、需要と供給のバランスを調べる方法も知らなかった。ただ「なんとなく伸びそう」という感覚だけで参入してしまった。
今ならAIを使えば、この種のリサーチは格段にやりやすくなる。競合サイトの強さの目安、検索ボリュームの考え方、ニッチなキーワードの探し方。ChatGPTやClaudeに聞きながら仮説を立て、精度の高いリサーチができる。時間も手間も、そして判断の正確性も、10年前とは比較にならない。
Googleアップデートで、月25万円がゼロになった
その後、試行錯誤を続けながら、あるサイトが月25万円の収益を出せるようになった。アフィリエイトで稼ぐことの現実が、少し見えてきた時期だった。
しかし、その収益はGoogleのコアアップデートで一気に崩れた。上位表示されていた記事が軒並み順位を落とし、アクセスが激減した。収益はほぼゼロになった。
このときに痛感したのは、「Googleに依存した収益は、Googleに壊される」ということだ。アルゴリズムは変わり続ける。どれだけ丁寧にコンテンツを作っても、一度の更新でひっくり返ることがある。そのリスクを理解した上でやるのか、知らずにやるのかでは、精神的な準備がまったく違う。
この経緯の詳細は別記事に書いている。

今ならAIで補えること
10年前の自分が一番苦労したのは「情報収集と判断」だった。どのジャンルを選べばいいか、どのキーワードを狙えばいいか、記事の構成はどうすればいいか。これらをすべて、ブログや書籍で調べながら手探りで進めた。時間がかかり、判断も外れることが多かった。
今の環境は根本的に違う。
- ジャンル選定:「このジャンルはYMYLか」「競合の強さはどの程度か」「個人サイトが勝てる余地はあるか」をAIに相談しながら仮説を立てられる
- キーワード選定:「〇〇というジャンルで検索されやすいキーワードの切り口を教えて」と聞けば、出発点になる案をすぐ出してくれる
- 記事構成:読者の検索意図を踏まえた構成案を、数分で作れる
- リサーチ:競合記事の傾向、読者の悩みの深さ、関連するキーワードの広がりを、会話しながら整理できる
私が10年かけてつまずいてきたことの多くは、AIがあれば最初から回避できた可能性がある。もちろんAIも万能ではない。でも「情報が少なく、判断基準がない状態で一人でやる」という10年前の環境と比べれば、今の50代がアフィリエイトを始める条件はずっと良くなっている。
始める前に知っておけばよかった6つのこと
10年間の経験を振り返って、最初に知っておけばよかったと思うことをまとめる。
① 「稼ぎやすそう」でジャンルを選ばない
報酬単価が高いジャンルには、競合も多く集まっている。単価だけで選ぶと、すでに強い競合が固めているレッドオーシャンに飛び込むことになる。「自分が書けること」「読者に役立てること」「競合に勝てる切り口があること」の3つがそろうジャンルを選ぶべきだ。
② YMYLを理解してから参入する
健康・医療・お金・法律・安全に関わるジャンルは、Googleが専門性・権威性・信頼性を厳しく評価する。個人サイトがこのジャンルで安定した上位表示を維持するのは難しい。参入前に「このジャンルはYMYLか」を確認することが必須だ。
③ 読者とアフィリ案件の相性を確認する
「記事を読みに来る人」と「アフィリ案件が求めている人」が一致していなければ、どれだけアクセスがあっても収益にはならない。保険サイトの失敗がまさにこれだ。コンテンツと案件の相性を最初に設計しておく必要がある。
④ Googleに依存した収益は壊れる可能性がある
検索流入に頼る収益モデルは、Googleのアルゴリズム変更に脆弱だ。「稼げている」状態が永続するわけではない。このリスクを理解した上で、複数の収益源を持つことや、メールリスト・SNSなど別の読者接点を作ることを意識しておくべきだった。
⑤ 最初の半年〜1年は収益を期待しない
アフィリエイトは、記事を書いてすぐ稼げる仕組みではない。検索エンジンに評価されるまでに時間がかかる。最初の半年から1年は「種を蒔く期間」と割り切って、収益を期待せず記事を積み上げることが必要だ。早期に結果を求めて挫折するケースが多い。
⑥ リサーチにAIを使う
これは10年前にはなかった選択肢だが、今から始める人には最大の武器になる。ジャンル選定・キーワード選定・記事構成・競合分析。AIと壁打ちしながら進めれば、私が10年かけてつまずいたことの多くを最初から回避できる可能性がある。
まとめ
10年間、アフィリエイトをやってきて思うのは、「知識があれば防げた失敗が多かった」ということだ。
YMYLを知らずにサプリサイトを作り、リサーチをせずに英会話サイトを作り、読者とのズレに気づかずに保険サイトを続けた。そのたびに時間とエネルギーを使い、ゼロから立て直してきた。
これからアフィリエイトを始める50代には、同じ失敗を繰り返してほしくない。特に、時間と体力に限りがある50代は、「回り道をしない」ことが何より重要だ。AIというツールがある今、情報収集とリサーチの質は格段に上げられる。失敗のパターンを知った上で、正しいジャンル選定と読者理解から始めてほしい。

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