休職中、保険料をどうしたか|傷病手当金だけで保険を払い続けた1年半の記録

お金・資産形成
⚠️ この記事について
この記事は筆者の実体験をもとに書いています。傷病手当金の金額・社会保険料の扱いは勤務先・健康保険組合・収入によって異なります。実際の手続きは会社の人事・健康保険組合・社会保険労務士にご確認ください。

休職中、保険料をどうするかは誰も教えてくれない。

傷病手当金が出るとはいえ、給与の6割程度だ。そこから社会保険料を会社に支払う必要もある。手元に残るお金は、想像より遥かに少なかった。

自分は1年半の休職中、収入保障保険・医療保険・がん保険を全部払い続けた。貯金が底をつき、妻に工面してもらい、それでも足りずに妻名義の変額有期保険を1本解約した。スマホの契約も見直した。

結果として、継続したことは正解だったと思っている。この記事では、その1年半に何を考え、何をしたかを書く。

傷病手当金の実態:給与の6割では足りない

傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に健康保険から支給される給付金だ。支給額は「直近12ヶ月の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2」で計算される。おおよそ給与の6割程度になる。

「6割もらえるなら何とかなる」と思っていたが、現実はそうではなかった。

休職中も、健康保険・厚生年金などの社会保険料は発生し続ける。在職中は会社と折半していたが、休職中は給与がないため、自分の分を会社に立て替えてもらい、後で一括または毎月支払う形になる。これが想像以上に重かった。

傷病手当金6割から社会保険料を引くと、手元に残る金額は給与の4〜5割程度になることもある。住宅ローンや家賃、食費、子どもの教育費は変わらず出ていく。保険料を払い続けることが、どれだけ家計を圧迫するかは、実際に経験してみないとわからない。

解約という選択肢を真剣に考えた

休職に入って数ヶ月が経つと、貯金が目に見えて減り始めた。毎月の保険料の支出が重くのしかかってくる。

「解約すれば月々の支出が減る」という考えが頭をよぎった。でも同時に、こうも思った。「今、自分は病気で休んでいる。この状態で保険をやめたら、もし再発したときに何もない」。

保険というのは、元気なときに入るものだ。一度でも病気で休職した記録があると、通常の条件では次の保険に入れなくなる可能性が高い。解約は「取り返しがつかない判断」になりうる。

だから自分の保険(収入保障・医療・がん)は全部払い続けることにした。

実際にやったこと:妻の変額有期を1本解約した

とはいえ、現実には資金が足りなかった。

まず妻に頼んで家計を工面してもらった。それでも毎月の収支が合わなくなってきたとき、妻名義の変額有期保険を1本解約することにした。

この判断には葛藤があった。変額有期は資産性のある保険で、長く持ち続けることに意味がある。でも「今を乗り越えられなければ意味がない」という判断だった。

解約した保険は妻名義のもの1本だけに留めた。妻の他の保険・自分の保険は全部継続した。

もう一つやったのはスマホの見直しだ。当時のキャリアから格安SIMに切り替え、月々の通信費を削った。大きな額ではないが、固定費を1つでも減らすことが精神的にも楽になった。(後に楽天モバイルに乗り換え、今は家族のスマホ代がほぼ0円になっている)

1年半後に振り返って:継続は正解だった

休職から復帰し、時間が経った今、保険を続けたことは正解だったと思っている。

一つ目の理由は、資産性の保険が育っていること。解約しなかった妻の変額有期は、今や支払った保険料の総額を解約返戻金が上回っている。あのとき解約していたら、この資産は消えていた。

二つ目の理由は、自分がもう通常の条件では保険に入れないことだ。休職の原因となった病気の既往歴があるため、新たに加入しようとすると条件付き(特定部位不担保など)になるか、そもそも断られる可能性がある。あのとき解約していたら、今の自分には医療保険もがん保険もない状態になっていた。

保険は「今いらないかもしれない」と思ったときに価値が出るものだ。健康なときに入り、苦しいときに手放さないことが、長い目で見ると正解になることがある。

「保険を続ける」と決めた後の1年半

保険を全部続けると決めた後も、毎月の支払いは重かった。

傷病手当金が振り込まれる日を確認して、そこから社会保険料・保険料・住宅ローンの順に引き落とし日を把握して、残りで生活する。そういう生活が1年半続いた。

精神的に一番きつかったのは、「いつ復職できるかわからない」という不確実さだった。3ヶ月先も見えない状態で、毎月お金が出ていく。節約できるところは限られていて、固定費の重さを毎月感じ続けた。

それでも保険を解約しなかった理由を、今あらためて言葉にするなら「後で取り返しがつかないことだけはしない」という判断だった。お金は後からでも何とかなるかもしれない。でも保険は、健康状態が変わった後では取り戻せない。

保険料を払い続けながら、収入を補う方法も考え始めた。休職中にブログを始めたのもこの時期だ。最初は収益にはならなかったが、「何かできることをしている」という感覚が、精神的な支えになった。

休職をきっかけに「お金の構造」を見直した

休職前の自分は、毎月の収支をあまり細かく把握していなかった。給与が入って、引き落とされて、残ったもので生活する。それで何となく回っていた。

休職してはじめて、固定費の重さが見えた。保険料・ローン・通信費・サブスクリプション。収入が6割になって初めて、「これだけ固定費がある」という事実と向き合った。

スマホの見直しはその一環だった。当時のキャリアから格安SIMに切り替え、月々の通信費を削った。後に楽天モバイルに乗り換えてからは、家族のスマホ代がほぼ0円になった。

休職は苦しい経験だったが、「お金の使い方を本気で考えるきっかけ」にはなった。収入が減らなければ気づかなかったことが、いくつかある。

同じ状況の人へ:解約の前に考えてほしいこと

休職中に保険料の支払いが苦しくなったとき、解約を検討する前にいくつか確認してほしいことがある。

① 払済保険・延長保険の制度を確認する
保険によっては、保険料の支払いを止めながら保障を縮小して継続できる「払済保険」や「延長保険」という制度がある。完全な解約よりも選択肢が広い場合がある。保険会社・担当者に相談してみてほしい。

② 解約返戻金と今後の保険料を比較する
解約すると手元に戻るお金があることもある。だが、その後に同じ保障内容で再加入できるかどうかを先に確認してほしい。健康状態によっては、一度解約すると同じ保険には戻れない。

③ 「解約する保険」の優先順位をつける
どうしても支払いが続けられない場合、解約する順番がある。資産性が高く・代替が効く保険から先に、掛け捨ての保障系(医療・がん・収入保障)は最後まで残すのが基本の考え方だ。ただし状況によって異なるため、ファイナンシャルプランナーや担当者に相談することをすすめる。

④ 自分が「通常条件で入れるかどうか」を意識する
健康なうちに入った保険は、いざというときに力を発揮する。今の健康状態で同じ内容の保険に新たに加入できるかを考えると、継続の重さが変わって見えてくる。

よくある疑問

Q. 傷病手当金はいつから、いつまでもらえるのか?
待期期間(連続3日間の休業)を経た4日目から支給される。支給期間は通算で1年6ヶ月が上限だ。ただし支給条件は健康保険の種類(協会けんぽ・組合健保など)や状況によって異なる。詳しくは加入している健康保険組合に確認してほしい。

Q. 休職中の社会保険料はいつ払うのか?
会社が立て替え、復職後に一括または分割で支払うケースが多い。会社によって対応が異なるため、休職に入る前に人事・総務に確認しておくことをすすめる。

Q. 保険料の支払いが本当に無理なときはどうすればいいか?
まず保険会社に連絡することだ。払済制度・保険料の猶予・自動振替貸付など、解約以外の選択肢を提示してもらえる場合がある。黙って放置すると失効(保険が切れる)になるため、早めに相談することが大切だ。

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まとめ

  • 傷病手当金は給与の6割程度だが、社会保険料を差し引くと手元はさらに少ない
  • 休職中の保険解約は「取り返しがつかない判断」になりうる
  • 解約の前に払済保険・延長保険など代替手段を確認する
  • どうしても必要なら、資産性の高い保険から優先して、掛け捨て保障系は最後まで残す
  • 継続できるなら続けた方がいい。健康状態が変わると、同じ保険には戻れない

1年半、苦しかった。妻に頭を下げて、保険を1本解約して、スマホを見直して、それでも毎月の支出と向き合い続けた。でも今振り返ると、あのとき続けたことが資産として残っている。

休職は、お金の使い方・保険の意味・自分に何が必要かを、否応なく考えさせる時間でもあった。

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