我が家は6人家族だ。妻と子ども4人。
私は元保険営業マンで、FP2級も持っている。つまり、保険については「売る側」も「設計する側」も経験してきた。そんな人間が自分の家族6人分の保険をどう設計したか、正直に書く。
結論から言うと、「保険のプロだから手厚くかけている」は完全な誤解だ。むしろ逆だ。
子ども4人には保険をかけていない
まずここから話す。子ども4人、全員無保険だ。
理由はシンプルだ。私たちが住む市では、子どもの医療費は1回につき300円が上限になっている。入院しても、手術をしても、自己負担はほぼかからない。
実際に体験している。長男が小さい頃、ケガで入院したことがある。かかった費用は食事代と雑費だけだった。民間の保険に入っていたとしても、給付金が出る前に自己負担がほとんど発生しない。
これが何を意味するか。保険料を払うこと自体がマイナスになる、ということだ。安くても月500円の共済に4人分加入すれば年間2万4000円。それを積み立てれば、成人するころには相当な金額になる。医療費の補助制度がある間は、保険よりも「現金で持つ」か「積み立て投資をする」方が合理的だ。
元保険営業マンがこう言うのか、と思う人もいるだろう。ただ、これが数字を見た上での判断だ。「念のため入っておこう」というのは、制度の中身を知らないからこそ出てくる発想だ。
私自身の保険設計
一方、私自身はしっかり保険をかけている。子どもと違い、大人には公的な補助がない。しかも、私が倒れれば家族6人の生活が止まる。
現在加入しているのは以下の4本だ。
- 収入保障保険(60歳まで、月額25万円):死亡・高度障害時に毎月25万円が60歳まで支払われる。一家の大黒柱として、最も重要な保険と位置づけている
- 終身医療保険:入院・手術に備える。ICUに45日入院した経験から、この保険の重要性を体で理解している
- 終身がん保険:がんは治療期間が長く、医療費も高額になりやすい。終身で備える
- 医療費連動型がん保険:実際に支払った医療費の分だけ受け取れる設計。二重補償を避けつつ実損に対応できる
コロナでICUに入った時、終身医療保険の入院給付金が実際に支払われた。「本当に使う時が来るとは思わなかった」というのが正直な感想だ。保険は使わないに越したことはないが、使った時に「あってよかった」と思えるかどうかが設計の基準だと、あの経験で確信した。
削った保険と、その理由
保険を持ち続けるだけが正解ではない。見直しで削ったものも正直に書く。
自分の変額有期保険(解約)
収入が減った時期に解約した。支払った保険料よりも多く積み立てられていたため、損失ゼロで現金化できた。そもそもこの保険は「目的を決めずに積み立てる」設計で、教育費・住宅費・緊急時に何にでも使えるルールにしていた。その役割は終わった、と判断した。
妻の変額有期保険1本(解約)
同じ理由。妻側の変額有期も複数本あったうちの1本を解約した。残りは資産形成の柱として継続中だ。
団体契約のがん保険(解約)
会社の団体契約で加入していたが、終身がん保険と内容が重複していた。月2,000円でも不要なコストは削る。
賠償責任保険の重複(片方解約)
自動車保険と火災保険、両方に賠償責任特約がついていた。片方で十分なため、一方を解約した。
自動車保険をネット型に変更
代理店型からネット型へ切り替えた。補償内容はほぼ同じで、年間2万円削減できた。
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火災保険をネット型に、水災補償をカット
ハザードマップを確認し、自宅が浸水リスクの低いエリアにあることを確認した上で水災補償を外した。5年更新で年間1万円削減。
火災保険も複数社で比較すると保険料に差が出ることがある。今なら見積もりだけでセブンプレミアムカフェラテがもらえるのもうれしい。→ 火災保険を各社にまとめてお見積り!ご利用無料!
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これらの見直しで、月2万4000円の保険料削減を実現した。
妻の保険設計
妻の保険は、自分とは異なる設計になっている。
- 変額有期保険(複数本):資産形成の軸。解約返戻金が育つタイプで、我が家では「教育費・老後資金・何かあった時のお金」として位置づけている
- 外貨建て終身保険:円以外の資産を持つという目的。保険でありながら資産形成の機能も持つ
- 終身医療保険:入院・手術への備え
- 終身がん保険:がんへの備え
- 女性疾病の少額短期保険:帝王切開で4回使用済みの実績あり。妻のケースでは明確に元が取れた保険だ
妻の保険設計のポイントは「保障+資産形成」の両立だ。変額有期・外貨建て終身は単純な保障ではなく、資産を育てるツールとして使っている。
保険設計で大事にしていること
元保険営業マンとして、保険の設計で最も大事にしていることを一つ挙げるなら「目的を決める」ことだ。
保険は「何かあった時のため」という曖昧な目的で入ると、必要以上に払い続けることになる。死亡リスクに備えるのか、医療費に備えるのか、資産形成を目的とするのか。それぞれ必要な保険の種類が違う。
子どもへの保険をかけない判断も、「市の制度で医療費はほぼゼロ」という目的から逆算した結論だ。制度が変われば判断も変わる。定期的に見直すことが前提だ。
我が家の場合、今の設計の軸は「私が死んでも家族が10年以上生活できること」と「大病をしても収入が止まらないこと」の2点だ。ICUを経験したことで、この2点の重要性は理屈ではなく体で理解している。
保険の見直しに迷っている方は、まず「何のために保険に入るのか」を紙に書いてみることをすすめる。そこから逆算すると、不要な保険が見えてくる。
「必要保障額」はどう計算したか
収入保障保険の月額を25万円に設定した根拠を書いておく。感覚ではなく、計算から出した数字だ。
私の手取り月収から住宅ローン・固定費・食費・教育費を引くと、家族6人が最低限生活できる金額が月22〜24万円になる。これに少し余裕を持たせて25万円にした。
もう一つ重要なのは「60歳まで」という期間設定だ。私が60歳の時、末子は13歳。高校・大学と教育費がかかり続ける年齢だ。60歳以降は退職金・iDeCo・個人年金など別の資産で対応する設計にしているため、収入保障は60歳で終わらせた。
逆に言えば、60歳以降まで続く「終身」の収入保障は不要だ。そこまで払い続けると保険料が跳ね上がる割に、受け取る可能性が低い。「いつまで保障が必要か」を明確にするだけで、保険料は大きく変わる。
保険の優先順位:死亡・医療・がんの順番で考える
保険の種類は多いが、大黒柱が最初に検討すべき優先順位は決まっている。
- 1位:死亡保険(収入保障)――自分が死んだとき、家族の生活が維持できるか。子どもが多い家庭では最優先。一家に一本、必ず入るべき保険だ
- 2位:医療保険――入院・手術に備える。私はICUで45日入院した経験から、この大切さを体で理解している。ただし、高額療養費制度があるため、保障内容は最低限で十分な場合も多い
- 3位:がん保険――がんは治療期間が長く、入院・通院・薬代が積み重なる。医療保険とは別に持っておく価値がある
この順番で「入っているか?」を確認する。全部入った上で余裕があれば、資産形成型保険(変額・外貨建て)を検討するのが正しい順序だ。
見直しのタイミングと頻度
我が家では年に1回、誕生月に保険を見直すことにしている。理由は、年齢が変わると保険料も変わるからだ。特に更新型の保険は気づかないうちに保険料が上がっていることがある。
また、ライフイベントのたびに必ず見直す。子どもが生まれたとき、住宅を購入したとき、転職したとき、そして今回のようなコロナ入院など大病を経験したとき。これらのタイミングは保障ニーズが変わる瞬間だ。
保険は「入ったら終わり」ではない。人生のステージが変わるたびに、保障の過不足を確認する習慣が、無駄なお金を払い続けないために大切だ。
元保険営業マンとして正直に言うこと
保険の営業をしていた頃、私は「念のためのご加入をおすすめします」という言葉を何度も使った。今は後悔している。
「念のため」で入る保険は、目的がない保険だ。目的がないまま入ると、何のために払っているかわからなくなり、保険料を払い続けることへの疑問も湧かなくなる。その結果、不要な保険を10年・20年と払い続ける人が多い。
私が今の設計にたどり着いたのは、コロナでICUに入って「本当に必要なものと不要なものが何か」を考え直したからでもある。病院のベッドの上で「この保険は使えるか?」と考えたとき、答えがはっきり出た。
保険を見直すことに罪悪感を持つ必要はない。目的に合っていない保険を解約するのは、賢い判断だ。現役の保険営業マンは「解約しないでください」と言うだろうが、それは営業マンの利益を守るためだ。家族の利益を守るのは、自分自身しかいない。
ただ、「自分で全部判断するのが不安」という気持ちも当然だ。18年間業界にいた自分でも、自分の家族の保険を客観的に見るのは難しかった。普通の人が保険の全体像を把握するのはさらに大変だ。そういう方には、独立系のFPへの相談が有効だと思っている。特定の保険会社に属さない立場から、あなたの家族構成・収入・リスクの穴に合わせた見立てをしてもらえる。
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自分の保険、このままでいいか不安な方へ
元保険営業マンとして正直に言う。自分で調べることも大切だが、特定の保険会社に属さない独立系のFPに一度見てもらうのが最も確実だ。売る商品のしがらみがない分、あなたの家族構成・収入・リスクの穴に合わせた中立な判断ができる。
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保険を「売る側」だった私が、自分の保険に正直になるまで
保険の営業をしていた頃、私は「保険は全員が入るべきもの」という空気の中で仕事をしていた。職場のロールプレイングでは「断る客をどう説得するか」を練習した。「入らなくていい理由」を探す訓練は一度もしなかった。
営業マンとして優秀であろうとするほど、「本当に必要かどうか」より「どう売るか」に意識が向く。それが仕事だった。だから当時の私は、客観的に見れば不要な保険を、何人かのお客様に売っていたと思う。
保険業界を離れて、FP2級の勉強をして、そして自分自身がコロナICUで45日入院して、ようやく「保険の本質」を自分のこととして考えられるようになった。保険は「売るもの」でも「念のためのもの」でもなく、「リスクの穴を埋めるもの」だ。その穴がどこにあるかは、人によって全然違う。
コロナ入院で保険を「使った」経験
私がICUに45日入院した際、終身医療保険から入院給付金が支払われた。入院前のホテル療養約1週間分も給付対象となり、約7万円。その後のICU入院45日間で日額10,000円×45日=45万円。合計52万円ほどが支払われた。ICU入院中の実費(個室差額・日用品・交通費など)を十分にカバーし、むしろプラスになった。
コロナ入院自体は公費負担だったため、治療費はほぼかからなかった。もし公費負担がなかった場合、ICU45日の治療費はケースによっては数百万円になることもある。そうなれば入院給付金だけでは全く足りない。高額療養費制度の上限額(約8〜9万円/月)を超えた分の自己負担も出てくる。
「保険を使った」という体験は、その後の設計を見直す重要なきっかけになった。「自分がICUに入ったとき、何が足りなかったか・何が役立ったか」を具体的に把握できたからだ。経験なしに設計するより、はるかにリアルな判断ができるようになった。
家族6人の保険料は月いくらか
現在の月払い保険料の合計を公開する。我が家(私・妻、子ども4人は無保険)のケースだ。
- 収入保障保険(私):約5,500円/月
- 終身医療保険(私):約4,200円/月
- 終身がん保険(私):約3,800円/月
- 医療費連動型がん保険(私):約2,100円/月
- 変額有期保険 複数本(妻):約18,000円/月(資産形成目的含む)
- 外貨建て終身保険(妻):約8,500円/月
- 終身医療保険(妻):約3,600円/月
- 終身がん保険(妻):約2,900円/月
- 女性疾病の少額短期保険(妻):約1,800円/月
合計:約50,400円/月。うち保障目的は約23,900円、資産形成目的は約26,500円という内訳だ。
この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは人による。ただ、以前と比べて月2万4,000円削減した上でこの金額だ。見直し前は月7万5,000円近く払っていたことになる。「保険に入っているから安心」という感覚だけで加入を続けていたコストは、年間換算で30万円近くだった。
保険を「売る側」だった私が、自分の保険に正直になるまで
保険の営業をしていた頃、私は「保険は全員が入るべきもの」という空気の中で仕事をしていた。職場のロールプレイングでは「断る客をどう説得するか」を練習した。「入らなくていい理由」を探す訓練は一度もしなかった。
営業マンとして優秀であろうとするほど、「本当に必要かどうか」より「どう売るか」に意識が向く。それが仕事だった。だから当時の私は、客観的に見れば不要な保険を、何人かのお客様に売っていたと思う。
保険業界を離れて、FP2級の勉強をして、そして自分自身がコロナICUで45日入院して、ようやく「保険の本質」を自分のこととして考えられるようになった。保険は「売るもの」でも「念のためのもの」でもなく、「リスクの穴を埋めるもの」だ。その穴がどこにあるかは、人によって全然違う。
コロナ入院で保険を「使った」経験
私がICUに45日入院した際、終身医療保険から入院給付金が支払われた。入院前のホテル療養約1週間分も給付対象となり、約7万円。その後のICU入院45日間で日額10,000円×45日=45万円。合計52万円ほどが支払われた。ICU入院中の実費(個室差額・日用品・交通費など)を十分にカバーし、むしろプラスになった。
コロナ入院自体は公費負担だったため、治療費はほぼかからなかった。もし公費負担がなかった場合、ICU45日の治療費はケースによっては数百万円になることもある。そうなれば入院給付金だけでは全く足りない。高額療養費制度の上限額(約8〜9万円/月)を超えた分の自己負担も出てくる。
「保険を使った」という体験は、その後の設計を見直す重要なきっかけになった。「自分がICUに入ったとき、何が足りなかったか・何が役立ったか」を具体的に把握できたからだ。経験なしに設計するより、はるかにリアルな判断ができるようになった。
家族6人の保険料は月いくらか
現在の月払い保険料の合計を公開する。我が家(私・妻、子ども4人は無保険)のケースだ。
- 収入保障保険(私):約5,500円/月
- 終身医療保険(私):約4,200円/月
- 終身がん保険(私):約3,800円/月
- 医療費連動型がん保険(私):約2,100円/月
- 変額有期保険 複数本(妻):約18,000円/月(資産形成目的含む)
- 外貨建て終身保険(妻):約8,500円/月
- 終身医療保険(妻):約3,600円/月
- 終身がん保険(妻):約2,900円/月
- 女性疾病の少額短期保険(妻):約1,800円/月
合計:約50,400円/月。うち保障目的は約23,900円、資産形成目的は約26,500円という内訳だ。
この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは人による。ただ、以前と比べて月2万4,000円削減した上でこの金額だ。見直し前は月7万5,000円近く払っていたことになる。「保険に入っているから安心」という感覚だけで加入を続けていたコストは、年間換算で30万円近くだった。
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