防災グッズを買おうと思ったとき、最初にぶつかるのは「何を買えばいいかわからない」という壁だ。
個別に揃えようとすると、何が必要かを調べることから始まり、各アイテムを比較して、複数の店舗を回って……というループに陥る。結果、「また今度でいいか」と先送りにしてしまう。そのまま何年も経つ。
我が家は10年ほど前に防災グッズのセットを初めて購入した。6人家族で、子どもが4人いる。コロナのICU入院を経験してから「いざというとき自分が動けなくても家族が生き延びられる環境を作りたい」という気持ちが強くなり、少しずつ防災備蓄を整えてきた。
この記事では、実際に購入・使用してきた経験をもとに、人気の防災グッズセット2種類を比較する。
- 楽天1位・防災士厳選 39点セット(実際に購入・使用済み)
- あかまる防災 44点セット(防災士&消防士監修)
どちらも人気商品だが、内容・コンセプト・向いている家庭が異なる。子どもがいる家庭・大家族・初めて備蓄を始める方の参考になれば嬉しい。
まず自分の家に必要な備蓄量を確認しよう
防災グッズを選ぶ前に、「自分の家族に何が・どのくらい必要か」を把握しておくと商品選びがスムーズになる。家族構成・住居タイプ・持病の有無によって必要量は変わる。以下のシミュレーターで確認してみてほしい。
🧮 防災備蓄量かんたんチェック
必要な備蓄量が把握できたら、次はセット選びだ。一式そろったセットを選ぶのが最も手軽で、抜け漏れも防げる。
なぜセット購入がおすすめなのか
防災グッズを個別に揃えようとしたことがある。正直、挫折した。
何が必要かをリストアップして、各アイテムを調べて、価格を比べて、注文して……という作業は思いのほか時間がかかる。また、セットを実際に開けてみると「これが必要だったのか」と気づくアイテムも多い。自分では思いつかなかったものが入っていて、防災の専門家が考えた「必要なものの視点」を受け取れるのがセット購入の価値だ。
もう一つ気づいたのは、100均でも買えるアイテムが含まれていること。個別に揃えるなら安くできる部分もある。でも、1つ1つを探して買いに行く手間と時間を考えると、セットの方が「確実に揃う」という安心感がある。防災の備えは、完璧を目指すより「とにかく揃えること」の方が大事だ。
楽天1位・防災士厳選 防災グッズ39点セット|実際に使ってみた感想
我が家が最初に購入したのが、このセットだ。楽天・Amazonで1位を獲得しており、防災の専門家が厳選したアイテムが揃っている。
セットの主な内容(39点)
- 飲料水・食料(非常食)
- 救急用品(絆創膏・包帯・消毒液など)
- 光源(懐中電灯・ランタン)
- 情報収集(ラジオ)
- 衛生用品(マスク・ウェットティッシュなど)
- 防寒(アルミブランケット)
- その他(笛・軍手・ロープなど)
実際に開けてみてわかったこと
セットを開けてみて最初に感じたのは「こんなものも必要なのか」という気づきだ。自分でリストを作っていたら絶対に漏れていたアイテムが複数入っていた。防災の専門家が選んでいるからこその「盲点をカバーする構成」を感じた。
一方で、1人分のセットをリュックひとつに詰めてみると「これで足りるか?」という感覚もあった。大人1人分としては最低限を満たしているが、子どもがいる家庭では子どもの分を別途用意する必要がある。セット+α で考えるのが現実的だ。
置き場所が重要だと気づいた
購入後に悩んだのが「どこに置くか」だ。我が家では寝室・玄関・外の物置の3か所に分散して置いている。
理由がある。夜中に地震が起きたとき、玄関まで取りに行けない可能性がある。だから寝室にも置く。逆に外での活動中に被災したとき、家の中に入れないケースもある。外の物置にも一部を置いておけば、複数の状況に対応できる。「防災グッズは一か所にまとめる」より「分散させる」ほうが現実的だと実感した。
6人家族での実情
我が家は6人家族(大人2人・子ども4人)だ。39点セットを1人分として考えると、全員分を揃えるには複数セットが必要になる。現在も「少しずつ足している」段階で、全員分が完全に揃っているわけではない。寝袋・簡易トイレ・ヘルメットなども追加で購入してきた。
防災備蓄は一度に完璧を目指すのではなく、「少しずつ足していく」という考え方が継続しやすい。まずセットで最低限を揃え、そこから家族の状況に合わせて追加していくのが現実的なアプローチだ。
あかまる防災 44点セット|防災士&消防士監修の充実セット
あかまる防災の44点セットは、防災士と消防士の両方が監修している点が特徴だ。現場で実際に救助・支援活動を行う消防士の視点が入ることで、「実際の災害現場で必要なもの」が選ばれている。
39点セットとの主な違い
| 楽天1位 39点セット | あかまる防災 44点セット | |
|---|---|---|
| 監修 | 防災士 | 防災士+消防士 |
| 点数 | 39点 | 44点 |
| 特徴 | 必要最低限を網羅・コスパ重視 | 現場目線の充実セット |
| 向いている人 | 初めて揃える方・コスパ重視の方 | より手厚く備えたい方・大家族 |
| 実購入実績 | ◎ 筆者購入・使用済み | 比較商品として紹介 |
アイテム数で5点多い44点セットは、内容がより充実している。子どもが多い家庭や、ペットがいる家庭、より手厚い備えをしたい方には44点セットの方が向いているかもしれない。
一方、「まず最低限から始めたい」「コスパを重視したい」という方には39点セットの方が入りやすい。実際に10年以上使ってきた経験から言えば、39点の内容で日常的な備えとしては十分だと感じている。
水と食料の備蓄|グッズセット以外でやっていること
防災グッズセット以外でも、日常の中でできる備蓄がある。我が家が実際に続けている方法を紹介する。
水はスーパーの特売を活用する
飲料水の備蓄は、スーパーで段ボール売りされているときにまとめ買いしている。2Lペットボトル×6本入りが特売になるタイミングを見て購入し、ストックを積み上げていく方法だ。
1人1日3Lが目安とされているので、6人家族では1日18L必要になる計算だ。1週間分となると100Lを超える。一度に揃えるのは難しいが、特売のたびに少しずつ増やしていけば、気づけばまとまった量になっている。
水は賞味期限が長い(2〜5年が多い)ので、特売時にまとめ買いして保管しておくのが一番コスパが良い方法だと思っている。
食料はローリングストック法で無駄なく回す
食料の備蓄には「ローリングストック法」を取り入れている。非常食として保管するのではなく、カップラーメン・レトルトカレー・缶詰など普段から食べるものを多めにストックしておき、消費しながら補充を続ける方法だ。
この方法の良さは「賞味期限切れの廃棄が出ない」こと。専用の非常食は保存期間は長いが、いざ食べてみると口に合わないこともある。普段から食べ慣れているものをストックしておけば、被災時にも食べやすく、食料が無駄になることもない。
カップラーメン・インスタント麺・レトルト食品・缶詰・フリーズドライのお味噌汁など、家族が普段食べているものを中心に選ぶと続けやすい。
食料の備蓄:サバイバルフーズも購入した
防災グッズセットに入っている非常食は数食分だ。長期停電・長期避難に備えるなら、別途食料の備蓄が必要になる。
停電時に家電をどこまで使えるかについては、こちらの記事も参考に:オール電化の停電対策|ポータブル電源でどこまで使えるか、実際に試した
我が家では25年保存できる「サバイバルフーズ」も購入した。シチュー野菜缶とクラッカー缶のセットで、賞味期限が25年という超長期保存食だ。
実際に食べてみた感想を正直に書く。
シチュー野菜缶:「思ったより美味しい」が率直な感想
上品なコンソメの香りで、野菜がゴロゴロ入っている。フリーズドライされているので若干の乾燥感はあるが、水分を増やして温めると改善される。「非常食だから仕方ない」という前提で食べると、十分おいしいレベルだ。
クラッカー缶:乾パンより食べやすいが、単体では物足りない
ひと言で言えば「乾パン」に近い。ただ、乾パンほど硬くないので子どもや高齢者でも食べやすい。味はほぼないので、シチューやカレーなど味のついたものと組み合わせて食べるのが前提だ。
サバイバルフーズの正直な評価
- ✅ 25年保存できるので、ローテーション管理が不要
- ✅ 合成保存料不使用(一部除く)
- ✅ 缶に缶切りが付属していて開けやすい
- ✅ 子どもでも食べられる味・食感
- ⚠️ 価格は高め(長期保存性のコスト)
- ⚠️ クラッカーは単体では味気ない
総合的には「非常食として十分アリ」という評価だ。価格は高いが、25年という保存期間を考えると1年あたりのコストは低い。「買ってそのまま忘れておける」という管理のしやすさが最大のメリットだ。詳しくは別記事でレビューする予定だ。
防災グッズは「使いながら」備えるのが続くコツ
防災グッズを「いざというときのためだけ」にしまい込むのではなく、日常の中で使う機会を作ると、道具への慣れと備えの両方が同時に進む。
我が家では、寝袋を冬の昼寝に活用している。ソファーの上に広げて昼寝するのが、子どもたちにとっても「ちょっとした非日常感」があって楽しいらしい。寝袋の開け方・入り方・閉め方を普段から体験しておくと、被災時に焦らず使えるというメリットもある。防災グッズの「練習」になりつつ、楽しみにもなっている。
懐中電灯も同様だ。停電訓練として夜に電気を消して懐中電灯だけで過ごす時間を作ってみると、「どこに置けば取りやすいか」「子どもが一人で扱えるか」という実用的な気づきが出てくる。
備えは「揃えて終わり」ではなく「使いながら育てるもの」だと思っている。
防災グッズを買った後にやること
グッズを購入して終わりにしてしまうのが一番もったいない。買った後の3つのアクションを押さえておくと、実際の被災時に動ける備えになる。
①置き場所を複数に分散させる
寝室・玄関・外の物置など、複数の場所に分けて置く。被災した状況によって「取れる場所」が変わるからだ。一か所に集中させると、その場所にアクセスできないと何も使えなくなる。
②家族全員分を少しずつ揃えていく
1セット購入しても、家族6人分を一度に揃えるのは費用的に難しい。「今年は大人2人分、来年は子ども2人分」という計画で少しずつ足していく方が現実的で続けやすい。
③セット+αで自分の家庭に合わせてカスタマイズ
セットは「最低限の網羅」と考え、家庭の状況に合わせて追加していく。我が家では寝袋・ヘルメット・簡易トイレを追加で購入した。特に簡易トイレは断水時に必須で、セットに入っている数では足りないことが多い。「自分の家庭で何が足りないか」を考えながら少しずつ追加するのが防災備蓄の正しい進め方だ。
電気の備えについて、あわせて読みたい:
どちらのセットが向いているか
- 初めて防災グッズを揃える方・コスパ重視の方 → 楽天1位 39点セット
- より充実した内容で備えたい方・大家族・ペットがいる方 → あかまる防災 44点セット
- どちらも買いたくない方 → どちらかをまず1つ買うことを強くすすめる。揃えていないよりはるかにいい
10年以上かけて少しずつ備蓄を整えてきた経験から言える。防災グッズは「完璧な準備が整ってから買おう」ではなく「不完全でもまず買う」が正解だ。何もない状態と、最低限のセットがある状態では、被災したときの選択肢の数がまったく違う。
気になる方はリンク先で商品の写真・詳細をご確認ください
セット内容のアイテム一覧や購入者レビューはリンク先の商品ページに掲載されています。価格・送料・在庫状況もあわせてご確認ください。
あわせて読みたい:非常食は「美味しさ」の時代へ|ローリングストック+25年保存食で作る、我が家の食料備蓄のリアル
まとめ
- 防災グッズのセット購入は「揃え忘れをなくす・専門家の視点を借りる」点で合理的
- 楽天1位 39点セットは10年以上使ってきた実績がある。初めての購入に向いている
- あかまる防災 44点セットは防災士+消防士監修で、より充実した内容を求める方向け
- 1セット≠1人分。リュックひとつでは足りない場合がある。家族分を少しずつ追加していくのが現実的
- 水はスーパーの特売でまとめ買い、食料はローリングストック法で無駄なく回す
- 寝袋は冬の昼寝に活用するなど、日常の中で使いながら「備えの練習」にもなる
- サバイバルフーズなど長期保存食も組み合わせると、停電・断水が長引いても食の備えになる
防災備蓄は一度で完成するものではない。少しずつ、できるところから整えていくことが大切だ。この記事がその最初の一歩のきっかけになれば嬉しい。


