保険の見直しは何歳でやるべきか|元保険営業マン×FP2級の結論

お金・資産形成

「保険の見直しをしたほうがいいですか?」

友人や知人からこの質問をされるたびに、少し考えてから答えるようにしている。外資系生命保険会社に2001年から8年、その後保険代理店に移って10年。合計18年間、保険の世界で働いてきた。今は一人の50代として、自分自身の保険と向き合っている。その立場から言えることがある。

保険の見直しは「何歳でやるべきか」より「どんな状況の変化があったときにやるか」で考えるほうが正確だ。そしてその判断は、18年間の経験と、自分自身がICUに入院して保険を請求した経験の両方から来ている。

18年間、保険を売る側にいた

2001年から外資系の生命保険会社に入った。最初の8年間は営業として働いた。その後、保険代理店に移り、さらに10年。合計18年間、保険の世界にいた。

売る側にいると、保険に対する見方が変わる。「この商品は誰に向いているか」「この特約は本当に必要か」「解約するタイミングはいつか」。こういったことを、毎日考えながら仕事をしていた。

ただ、正直に言うと、営業の立場では「見直し」の提案に別の動機が混じることもあった。新規契約や乗り換えのほうが成績につながる側面があったからだ。今、その立場を離れて振り返ると、「本当に必要な見直し」と「不要な見直し」の違いがよりはっきり見える。

ICU入院の前に保険を手厚くしていた|不幸中の幸い

コロナでICUに入院する少し前、入院保険を見直して少し手厚くしておいた。

コロナ禍が始まり、「何かあった時に備えておこう」という気持ちで動いた。保険の仕事をしていたから、手続きの仕方も内容の確認もスムーズにできた。その判断が、後に「不幸中の幸い」になった。

ICUに45日間入院した。その後、保険を請求する段になって、ホテル療養の期間も支払い対象になることがわかった。見直した保険の内容が、ホテル療養まで補償していた。実際に受け取った金額はおよそ50万円。あの時に動いておかなければ、療養中の費用がそのまま自己負担になっていた。

保険は「入院してから考える」では遅い。元気なうちに、落ち着いて内容を確認しておく。それだけのことが、実際に大きな差になった。

私が今入っている保険の内訳

せっかくなので自分の保険を公開する。現在は3種類の保険を組み合わせている。

  • 死亡保険(掛け捨て):月約10,000円
    子どもたちがまだ独立していないため、家族の生活を守るための死亡保障が必要だ。掛け捨て型を選んでいるのは、同じ保障額なら貯蓄性より保険料が安く済むから。保険は保障と割り切り、貯蓄は別で運用するという考え方だ。
  • 医療保険:月約5,000円
    入院・手術の保障。ICU入院を経験してから、この保障の重要性を身をもって知った。
  • がん保険:月約5,000円
    糖尿病を持っているため、がんリスクへの備えは優先度を上げている。

合計で月に約2万円の保険料になる。収入に対してどのくらいが適切かは人によって違うが、私は「保険料の合計が手取りの5〜10%以内」を一つの目安にしている。

住宅ローンの団体信用生命保険(団信)は別で加入している。ローンを組んだ時に自動的に付いてくるものだが、この内容と生命保険の内容が重複していないか確認することも大切だ。


火災保険の見直しもあわせて検討したい

保険の見直しをするなら、生命保険・医療保険と並んで火災保険も忘れずに確認してほしい。住宅購入時に入ったまま何年も見直していない場合、今の条件を確認するだけで保険料を下げられることがある。インズウェブの無料一括見積もりサービスで複数社を比較できる。今なら見積もりだけで全員にセブンプレミアムカフェラテがもらえるのもうれしい。

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保険の見直しが必要な「人生の転機」

見直しのタイミングは年齢ではなく、ライフステージの変化に合わせて考えるのが正しい。18年間の経験から言うと、以下のタイミングは必ず確認したほうがいい。

  • 結婚したとき:扶養家族ができる。死亡保障の必要額が変わる
  • 子どもが生まれたとき:養育費・教育費を考えた死亡保障が必要になる
  • 住宅ローンを組んだとき:団体信用生命保険の内容を確認する。生命保険と重複することがある
  • 子どもが独立したとき:大きな死亡保障は不要になる。保険料を見直せる
  • 定年・退職が近づいたとき:収入が変わる。保険料の負担を再確認する
  • 病気・入院をしたとき:医療保険の内容が現状に合っているか確認する

私は今、子どもたちがまだ独立していない段階にある。だから死亡保障はまだ必要だ。ただ、子どもたちが独立すれば、死亡保障は最低限に減らすことを考えている。夫婦2人の生活であれば、大きな死亡保障はなくていい。浮いた保険料を資産運用に回したほうが合理的になる。

医療保険とがん保険については、子ども独立後も資産状況次第で判断する。ある程度の資産が積み上がれば、「自己負担でカバーできる」という判断もできる。そのレベルの資産が形成できるかどうかが判断基準になる。

「見直さなくていい」ケースもある

見直しを勧める記事が多いが、「現状維持でいい」ケースも実際には多い。

私が心がけているのは、貯蓄性の商品と掛け捨ての商品を分けて考えることだ。

貯蓄性商品(終身保険・養老保険・変額保険など)は、解約返戻金が確実にプラスになるタイミングまで解約しないようにしている。早期解約すると元本割れするケースが多い。特にバブル期前後に加入した「お宝保険」と呼ばれる高予定利率の商品は、解約すると今の商品では絶対に再現できない条件を失う。安易に動かないほうがいい。

一方、掛け捨て商品(定期保険・医療保険など)は、より良い内容の商品があれば積極的に乗り換える気持ちでいる。同じ保障内容ならより安い保険料の商品に移ることをためらわない。

保険請求の実体験|約50万円を受け取るまでの流れ

ICU入院後、実際に保険を請求するまでの流れを記録しておく。知っているようで意外と知らない人が多い部分だからだ。

まず退院後、入院していた病院から「入院証明書(診断書)」を取り寄せた。保険会社への請求にはこの書類が必要になる。取り寄せには数週間かかることが多い。退院してすぐに動ける状態ではなかったので、体が落ち着いてから動き始めた。

次に加入している保険会社に連絡し、請求書類一式を送ってもらった。入院証明書と請求書を合わせて郵送すると、審査を経て約1〜2か月後に支払いが確定した。受け取った金額は合計で約50万円。入院給付金だけでなく、ホテル療養期間も支払い対象になっていたことがポイントだった。

ここで重要なのは「自分で約款を確認しておくこと」だ。保険会社から「これは対象外です」と言われても、約款を読めば対象になるケースがある。逆に、対象外だと思っていたものが対象になることもある。18年間の経験から言うと、請求前に必ず「支払い対象の条件」を自分で確認する習慣をつけることをおすすめする。

「絶対に解約してはいけない」保険が存在する

保険の見直しで一番多かった「やらかし」は、解約してはいけない保険を解約してしまうことだった。

特に問題になるのは、1990年代以前に加入した高予定利率の終身保険だ。当時は予定利率が5〜6%に設定されていた商品がある。今の保険商品の予定利率は1%以下が当たり前の世界なので、まったく別物だ。

代理店時代、「新しい保険に切り替えましょう」という提案を持ってきた同業者に騙されて、このタイプの保険を解約してしまったお客さんを何人か見た。一度解約したら取り返せない。知識があれば防げた損失だ。

自分の親の保険証券を確認する機会があれば、加入年と予定利率を確認することをおすすめする。「古い保険だから解約してスッキリしよう」は、場合によっては大きな損になる。

FP2級の知識が一番役立った場面

FP2級を取得して10年以上が経つ。保険に関して言えば、知識が役立ったのは「選ぶ場面」より「判断する場面」だった。

具体的には、資産性商品と掛け捨て商品のバランスをどう取るか。本当に必要な保障とそうでない特約の区別。リスクの低い商品と高い商品の違い。そして約款のどこを読めばいいかの判断と、保険証券の見方だ。

保険の営業マンが説明してくれる内容はわかりやすく整理されているが、「売りたいポイント」が前面に出ていることが多い。約款を自分で読んで「このケースは支払い対象外なのでは?」と確認できるかどうかで、実際にもらえる保険金が変わることがある。ICU入院後の請求でも、約款の内容を自分で確認できたことが役立った。

元保険営業マンとしての結論

18年間保険の仕事をして、自分でICUに45日入院して、実際に約50万円を受け取って、今思うことがある。

保険は「難しいもの」ではなく「知っておくべきもの」だ。約款は確かに読みにくい。でも、保険証券の表紙に書いてある「保障内容」「保険金額」「特約」の3つを把握しているだけで、だいぶ違う。全部理解しなくていい。自分に関係する部分だけ確認する習慣をつければいい。

私が保険を最後に見直したのは、ICU入院の少し前だった。「何かあった時のために」という漠然とした気持ちで動いた。その「何か」が本当に起きた。準備しておいてよかったと、心から思った。

保険は「いざという時のため」のものだ。だからこそ、いざという時に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、元気なうちに一度だけ真剣に向き合っておいてほしい。

18年間保険を売った経験から正直に言う。自分で調べることも大切だが、「中立な立場の第三者に一度見てもらう」のが最も確実な近道だ。現役の保険営業マンに相談すれば、どうしても売る商品の方向に話が向く。独立系のFPなら、特定の会社に縛られない立場から、今の保険がその人に合っているかを判断してくれる。無料で何度でも相談できる環境があるなら、使わない理由はない。

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この記事は個人の体験・見解に基づくものです。保険の見直しは個人の状況により異なります。具体的な判断はFP・保険代理店にご相談ください。

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