「お金の見える化」を夫婦で始めたら喧嘩が減った話|FP2級の家計管理術

「お金の見える化」を夫婦で始めたら喧嘩が減った話|FP2級の家計管理術 お金・資産形成

夫婦でお金の話をするのは難しい。

結婚してからずっと、お互いの資産を把握していなかった。それでいいと思っていた。稼いだお金は、それぞれが管理する。干渉しない。それが我が家のルールだった。

だが、子どもが4人になり、住宅ローンを抱え、収入が激減した時期を経験して、そのやり方では限界が来た。教育費は4人分。住宅ローンは35年。保険料。生活費。将来の老後資金。一つひとつは管理できても、全体を見渡せていなかった。

「お金の見える化」を夫婦で始めたら、漠然とした不安が消えた。そして、お金のことで揉めることが減った。

お金の話を避けていた理由

お金の話は面倒だ。

「今月いくら使った?」と聞かれると、責められている気がする。「貯金いくらある?」と聞くのも、相手を信用していないように思える。

だから、触れなかった。お互い稼いで、お互い管理して、それで家計が回っているならいい。子どもが生まれる前は、実際にそれで回っていた。

保険業界にいた頃は、他人の家計を見る仕事をしていた。FP2級も持っている。お金のプロのはずだった。なのに、自分の家庭のお金は見えていなかった。靴屋の子どもが裸足、という状態だった。

収入激減で見えた「見えないお金」の怖さ

Googleアップデートでアフィリエイト収入がゼロになった時、初めてお金の不安を夫婦で共有した。

転職して会社員に戻った後も、複合的にかかるお金の不安が募った。子どもたちの教育費。住宅ローン。保険。日々の生活費。それぞれは把握しているつもりだったが、全体像が見えていなかった。

漠然とした不安。何にいくらかかっていて、あとどれくらい必要で、今の収入で足りるのか足りないのか。それがわからないことが、一番怖かった。

あの頃、夜中に目が覚めることがあった。「来月の支払い大丈夫かな」「教育費足りるかな」。暗闇の中で一人、考えても答えが出ない不安を抱えていた。妻も同じように感じていたのかもしれない。でも、お互い口にしなかった。

漠然とした不安が募る前に、妻と話をしておきたかった。もう一人で抱え込むのはやめよう。これが見える化を始めたきっかけだ。

スプレッドシートで家計を丸裸にした

見える化の方法はシンプルだった。Googleスプレッドシートに全資産を書き出した。

銀行口座ごとの預貯金。ゆうちょ。貯蓄型保険。新NISAの運用額。仮想通貨。すべてを一つのシートに並べた。

新NISAのポートフォリオも、別シートで管理している。つみたて枠と成長投資枠、それぞれの銘柄と評価額。これも全部スプシに入れた。

スプシの構成はこうなっている。1つ目のシートが「全資産一覧」。銀行名、口座の種類、残高を並べる。ゆうちょ、メインバンク、教育費用の別口座。貯蓄型保険の解約返戻金の推移。仮想通貨の評価額。全部ここに集約する。

2つ目のシートが「新NISAポートフォリオ」。つみたて枠のNASDAQとS&P500、成長投資枠のゴールド、個別株。それぞれの取得額と現在の評価額を入れている。

月に1回、数字を更新する。15分もあれば終わる。この15分で、家族全体の資産の現在地がわかる。

家計管理アプリを使うのも一つの方法だ。マネーフォワードMEなら銀行口座や証券口座を連携して、資産を自動で一覧化できる。我が家はスプシで管理しているが、手動が面倒な方にはアプリの方が続けやすいかもしれない。

FP2級の知識があったから、何を可視化すればいいかはわかっていた。だが、実際にやってみると想像以上に効果があった。数字で見えると、感覚ではなく事実で判断できる。

妻への共有方法|印刷して説明する

スプレッドシートは妻と共有している。ただ、アカウントを共有しているわけではない。

定期的にスプシを印刷して、妻に見せながら説明している。

「今、全体でこれくらいある」「NISAはこれくらい増えている」「教育費はあとこれくらい必要」。紙に出して、一緒に眺めながら話す。

デジタルで共有するより、紙で一緒に見る方が会話が生まれる。「ここ増えたね」「ここは減ってるね」と、自然にお金の話ができる。

画面を見せるだけだと、相手は受け身になる。印刷して隣に座って説明する。このひと手間が、お金の話のハードルを下げてくれた。

説明する時は、数字だけではなく「だからどうするか」まで話す。「NISAがこれだけ増えているから、このペースでいけば教育費の一部はカバーできそう」「保険の満期がこの年だから、その時にまとまった資金が入る」。数字を未来の安心に変換して伝える。

妻は数字に強いタイプではない。だからこそ、わかりやすく伝える工夫が必要だった。FP2級の知識は、妻への説明で一番役に立っている。

支払い分担のルール|揉めない仕組みを作る

見える化と並行して、支払いの分担ルールも整理した。

以前は大まかに決めていただけだった。「だいたい食費は妻」「だいたい大きいものは自分」。この「だいたい」が曲者で、月によって「今月どっちが多く出してる?」と小さな摩擦が生まれることがあった。

そこで明確にした。スーパーの食費は妻。外食、旅行、車関連、家関連は自分。子どものタブレット教材と学校関連は妻。それ以外の大きな出費は自分。

ルールが明確になると、「今月どっちが多い」という議論自体がなくなった。迷いがないから、揉めない。

ポイントは、どちらかが損をしていると感じないバランスにすること。完全に折半する必要はない。収入の差もあるし、得意分野も違う。大事なのは「お互いが納得しているかどうか」。ルールは夫婦の数だけあっていい。

我が家の場合、コロナ後遺症で休職した時期は、妻の負担が大きくなった。その時も、スプシを見ながら「今はこういう状況だから、ここは頼みたい」と具体的に話せた。感情ではなく数字で話せると、お互い冷静でいられる。

見える化で漠然とした不安が消えた

見える化を始めてから、お互いにお金の不安が減ったと思う。

以前は「足りるのかな」「大丈夫かな」という漠然とした不安があった。でも、全資産をスプシに並べてみると、足りている部分と足りていない部分が明確に見える。

足りない分も、金額が見えるからこそ「じゃあいつまでにいくら」と目標設定ができるようになった。漠然とした不安が、具体的な計画に変わった。

不安の正体は「わからないこと」だった。見えるようにするだけで、不安の半分は消える。

たとえば教育費。子ども4人分の教育費は漠然と考えると途方もない金額に感じる。だが、スプシに「いつ、誰に、いくら必要か」を書き出すと、意外と計画が立てられることに気づく。子ども手当をつみたてNISAに回している効果も、数字で確認できる。

逆に「ここは足りない」という部分も明確になる。足りないことがわかれば、どう埋めるか考えられる。見えない不安より、見える課題の方がずっとマシだ。

子どもへのお金の教育|家庭内ポイ活制度

大きなお金の話は子どもたちにはしない。まだ早い。

ただ、日常の中にかかるお金の価値観は共有したいと思っている。外食で何にいくらかかる。教材でいくら。そういう話は普通にする。

お小遣いはあげていない。代わりに、家庭内でポイ活制度を作っている。

お手伝いをしたらポイントが貯まる。貯まったポイントで好きなものを買える。お金は「もらうもの」ではなく「自分で稼ぐもの」という感覚を、小さいうちから身につけてほしい。

洗濯物をたたんだら何ポイント。食器を片づけたら何ポイント。ポイントが一定数貯まったら、好きなお菓子やおもちゃに交換できる。子どもたちは意外と夢中になる。「あといくつでアレが買える」と計算し始める。これが金融教育の第一歩だと思っている。

FP2級を持っている父親として、子どもたちに伝えられることはまだたくさんある。それも、このサイトで記録していきたい。

夫婦でお金の話をするコツ

最後に、夫婦でお金の話をするためにやってよかったことをまとめる。

  • 全資産をスプレッドシートに書き出す(見える化)
  • 定期的に印刷して、一緒に見ながら説明する
  • 支払い分担を明確にルール化する
  • 「足りない分」を責めるのではなく「いつまでにいくら」と計画に変える
  • 相手を責めない。事実を並べるだけでいい

お金の見える化は、夫婦の信頼の見える化でもある。お互いの資産を見せ合うことは、お互いを信頼している証拠だ。

最初は抵抗があるかもしれない。自分の貯金額を見せるのは恥ずかしいし、相手の額を知るのも怖い。でも、その一歩を踏み出すと、夫婦の関係が変わる。お金の話ができる夫婦は、お金以外の話もできる。

見える化を始めるのに、特別なツールは必要ない。スプレッドシート1枚でいい。書き出すだけでいい。それだけで、漠然とした不安が消え、夫婦の会話が変わる。

コロナICUの経験を経て、「いつ何があるかわからない」と実感した。だからこそ、お金のことは夫婦で共有しておきたい。片方が倒れても、もう片方が全体像を把握している。それが家族を守ることだと思っている。

見える化の仕組みを作った後、実際に何を見直して家計がどう変わったかはこちらの記事に詳しく書いている。

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この記事は個人の家計管理経験に基づく記録です。

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